闘病日誌 Part41
まずは、彼が自分の現状をK野君に話をする。
K野君は指を落としたことを聞いて驚いていた様子だった。
一段落ついたところで、自分に代わってもらう。
「もりもり」これは、競輪の電話投票を持ってる、3人でしか分からない電話の出方だ...
「はぁ?」 K野君は呆気に取られているようだった。
「西野です」と言うと、ようやく分かったようで「なんで、この電話に出てんの?」そりゃそうだよね...自分が入院してた病院の、隣のベッドに彼が入ってきたことを説明すると。
「なんじゃそりゃ?」誰でもそう思うはずだよね?
まぁ、そんなことがあったと...
(つづく)
闘病日誌 Part42
その彼のおかげで、入院生活は楽しいものになったが、一つどうしようもないものがあった。
性欲である(引かないように)
予告もなしに(あったら怖いが)20日も閉じ込められると、退屈・淋しさ・情けなさなどで自分の中が一杯になってくる。
それと同時に人間の三大欲求である、食欲と性欲(睡眠欲はいつでも寝られるので満たされている)が芽生えてくる。
食欲は、一応食事がちゃんと出てるので我慢できるけど、無性にラーメンが食べたくなった...
それよりも、性欲である...こればっかりは解消できないので、積もり積もっていくばかりである...
(つづく)
闘病日誌 Part43
それに、看護婦でめっちゃ可愛い子がいて...
飯島直子を全体的に小さくした感じで、背も顔も胸も...でも、顔の整い方は本物よりも上と見たんだけどね。
とにかく、男性は入院のときは覚悟しなさい!! ってことです...
女性が沢山見ているようなので、このネタ終了。
明日からは、退院後編です...
(つづく)
闘病日誌 Part44
退院後編って予告しちゃったけど、もう一つありました。
入院して松葉杖の生活が続き、そうなると当然お風呂にも入れなくなる。
手術後1週間は入れないと言うことなので、そのときを待った。
ようやく1週間が過ぎ、看護助手? のおばちゃんに「お風呂入りたいんだけど」と聞くと「あの〜」すごく申し訳なさそうな顔をしている...「ボイラーが壊れてて...」
何〜!!「お湯が出ないんですよ」そこから4日間。
お風呂に入れず、頭がもう、痒いの極致になるまで我慢させられました...
(つづく)
闘病日誌 Part45
さて、いよいよ20日間の入院生活ともおさらばです。
帰ってきたのは良いんだけど、やっぱりここでもお風呂問題が...
ギブスが外れるのは、退院してから4週間も先のことなので、当然不自由なまま。
そこで病院で自由に入れなかった、お風呂に入ったのだが、足が曲がらない...
お風呂の椅子って凄く低いのが一般的だと思うけど、あの高さだとギブスが邪魔で足を曲げることが出来ない。
そこで、足を伸ばしたまま頭を洗ったりするんだけど...
(つづく)
闘病日誌 Part46
いや、マジでやってみな!! 片足を狭い風呂場の中で伸ばしたままっていうのは、ホントに辛いよ...
特に腰が辛い!! お風呂上りはいつも、ばてばてになります。
その前にパンツを脱ぐのが大変だと思ったのも、風呂場で...
片足でしか立てないということは、ギブス側の足は簡単に脱げても、逆の足は簡単に脱げない。
どうやって脱いだかというと、片方だけ剥き出しになったお尻を、風呂場の入り口の段差に乗せておいて、「もぞもぞ」ともう片方も下ろすのだ。
すんごく情けない光景だ...が、困難は続く...
(つづく)
闘病日誌 Part47
服を脱いだら、脱衣所から浴室に移るのだが、これが怖い。
自分の家は約10センチの段差が入り口にあり、それをまたがないと入れない。その「またぐ」が大変。
左足はギブスで固定され、足を地面に着けることはまだ出来ないときだったので、家の中ではケンケンで移動していた。
が、飛び越える場所は風呂場だけ...しかも一番危ないところだよね?
下は濡れてるし狭いところだから、こけたりしたら「しゃれ」にならない...
(つづく)
闘病日誌 Part48
だが、幸いなことに、入り口の扉に横向きの取っ手がある。
これを左手でつかみ、右手で湯船の端をつかむ。
そして、一気に腕の力だけで段差を飛び越える。
でも、後で考えるとあの取っ手、良く持ちこたえたと思う...
この方法でなんとかこけることなく、お風呂に入ってました。
あと、マンションだからまだ楽だったんだけど、ケンケンで移動できても、これだけは...っていうのが...
(つづく)
闘病日誌 Part49
それは、汁物の移動だ...
コーヒーを部屋に運ぼうとすると、ケンケンじゃ大変なことになるし、ちゃんと両足で歩けないので、少しづつ進むことも出来ない。
どうやって持っていくかと言うと、台所の自室に一番近いところ(テーブルの上)に一度置き、そこから、片手にしっかりとマグカップを握る。
そして、使えるほうの右足を、つま先・かかと・つま先・かかとって言う具合に、横にすりながらちょっとづつ移動していく。
コーヒー運ぶのに偉く体力を使わされました...
(つづく)
闘病日誌 Part50
退院から4週間経って、ようやくギブスを外しに行く。
その後にレントゲンを取るので、レントゲン室でギブスを取る。
器具は、作業用のカッターだ...
「シュイーン」っていう音とともに、切断開始。
音が鈍くなると、深く切り込んでる証拠だが、そこで嫌な感覚が...たまにだけど、深く切り込んだときに、足に「チクッ」っていう衝撃が走るのだ。
(大丈夫なの?)そう思いながら、ようやく切り終わり待合室へ。
それまで、怖かったので患部はまだ見ていない。
椅子に座って、気合を入れて見てみると...
(つづく)
闘病日誌 Part51
ギブスの取れた患部を見てみると...なぁ〜んだ、なんてことない。傷口もきれいなもので、大したことない。
時期も、暑くなる前だったので、そんなに痒くなることもなかった。
診察を受けて、看護婦さんにギブスの中で洗えなかった足を、タオルできれいにしてもらい。抜糸である。
以前、指先を3針縫ったときの抜糸は結構痛かったのだが、痛みも無く「ん?」って思っている間に終わっていた。
そのあと包帯とかされるのだと思っていたのだが、なにもしてくれない...しまった!! 靴下忘れた!!
帰りは片方だけ靴を履いて、片方は裸足で帰りました...
(つづく)
闘病日誌 Part52
診察を終えて、帰ってからまたじっくりと見てみる。
足の裏の皮膚が変色していて、むくんでいる。
痒くはないのだが、気になるのでちょっと爪を立ててみる。
すると「さっくり」と爪がもぐりこんで行く...
そのまま引っかくと「ベロン」と厚い皮がむける。
でも、すごく気持ち良い。
すーっとして、軽くなる。
皮むきに熱中すること約30分。
自分の足裏は、元通りの色に戻った。
そして、患部周りの皮もむき始めるが、そこで発見!!...
(つづく)
闘病日誌 Part53
っていっても、前にちょっと話した。
抜糸されきっていない糸が見つかっただけなんだけど...1本は、引っ張ってすぐに「するする」って抜けたんだけど、もう1本は、思いっきり傷口上のかさぶたの中に...
かさぶたは簡単に取れたけど、糸は引っ張っても抜けない。
どうなってるの? と思い、目の前に足を持ってくると、ちゃんと結ばれてました...
慎重にはさみで切って、抜いて完了...
(つづく)
闘病日誌 Part54
そんなことがありながら、それからは通院の生活が続く。
1週間に1回行くだけで良いのだが、松葉杖で路上を歩くことが、あんなに怖いとは思わなかった。
病院の中や家の中は当然凹凸がないから、何も考えずにスタスタと歩けるが、アスファルトの路面は、凹凸あり、傾斜あり、階段ありと、危険がいっぱいだ...
階段は勢いで登ることが出来るが、凹凸と傾斜は曲者だ。
一度、通院したときにタクシーから降りて歩き始めると...
(つづく)
闘病日誌 Part55
タクシーから降り少しだけ普通の歩道を歩くのだが、その歩道の途中で杖の片方が「ズボッ」っと、小さい穴にジャストミート(丁度肉)してしまったのだ。
これにはさすがに参りました。
バランスを崩した自分は、まだ着いてはいけない左足を一瞬だけど激しく路面に接触させて、激痛が...何とも無かったけど、それからはちょっとしたくぼみでも気になって気になって...怖かったですね。
次回からは、リハビリ編です...
(つづく)
闘病日誌 Part56
退院後1ヶ月が過ぎ、リハビリが開始されることになった。
リハビリの内容は、マッサージ師による患部のマッサージ。
これがまた、最初の3回くらいが地獄だった...
入院生活と松葉杖の生活で患部の関節。左足の足首だが、ここの関節ははっきり言って、まともに曲がらない状態だった。
当然、足の筋肉も落ちて左足だけスリムになっている。
まず、うつ伏せになって左足を膝から曲げマッサージをするのだが、そのやりかたが曲がらなくなった関節を無理矢理曲げようとするもので、最初の3回目までは、声を出そうにも出せないくらい痛かった...
(つづく)
闘病日誌 Part57
マッサージ師の腕が、自分の足首を捕らえる。
曲がらなくなった関節をつま先を伸ばすように。つま先を、太ももにくっつけるようにして伸ばす。
......
何も声が出なかった。激痛のあまり声が出ないのだ。
だが、この痛さは、今まで味わった痛さの中で2番目の痛さだ。
1番痛かったのは、首のヘルニア治療のために行った、整体の1回目...このときの後頭部を押されたときの痛みが、歴代ナンバー1。
ナンバー3が骨折したときだ...
(つづく)
闘病日誌 Part58
リハビリでの出来事はあまり無いのだが、痛さ以外に驚かされたことが一つ。
いつものように、うつ伏せで寝ているときに足を押さえ「蹴ってください」とマッサージ師が言う。
不思議に思ったが、足に力を入れて押さえられている腕を蹴り払うようにしたが...びくともしない。
普通、どう考えても腕よりも足の力のほうが上だと思うだろうが、顔が真っ赤になるまで力を入れてもマッサージ師の腕にかなわない...馬鹿力?
と、一瞬思ったが「筋力が落ちてるのが分かった?」だって...腕に負けるなんて...
(つづく)
闘病日誌 Part59
あともう一つ、リハビリでのムカつくおやじの話。
リハビリは診察券をリハビリ専用の箱に入れて、9時10分前になると順番に呼ばれてプラスチックの番号札を渡される。
それを、担当マッサージ師の机上において順番が来るのを待つのだが、待たされるのが嫌いだし朝一で勝負(スロット)に行きたいこともあって、大抵は担当の2番目に自分が呼ばれることになっているのだが、その日は3番目になってしまった。番号札は「4」。
そう言う場合は、一人目が終わるのを見計らって治療室に入っていくのだが、なぜか自分より後に来たおやじがマッサージ師の「4番?」っていう問いかけにうなずいている...
(つづく)
闘病日誌 Part60
「ん?おやじ、何うなずいてる?」って思ったので、マッサージ師に「俺が4番だけど?」というと、やってくれた...が、番号札を置いてあるところを見ると、4の次の番号は「6と9」が置いてある。
「...?」6と9を間違えるのは分かるが、4と6? ありえない!! 「嘘つくんじゃねえよ!!」と、速攻で口をついて出てきました...
その前にも、自分が6でそのおやじが9のときに、すでに騙されていた(マッサージ師が)ので、どうしても許せなかったね。
っていうか、嘘つきはホントに大嫌い。
いい年して、情けないと思ったよ。
でも、そのほうが、世の中は上手く渡っていけるのか?...
(つづく)