サウンドオブノーズ Part1
あ〜〜〜〜、歯が痛い!!
奥歯が強烈に痛くなっていた、もう遠い過去のこと、10年くらい前だろうか? どうしようもない痛みに耐えきれず、歯医者に行くことにした。
場所は、電車で行かなければならないところだが、知り合いが働いているので、そこにお世話になることにした。
「え〜、これは...」と歯医者、もう自分でもすでに分かっていた。
親知らずが出ていて、しかもその歯が虫歯になっているのだ...
(つづく)
サウンドオブノーズ Part2
「これは、抜きますね」と歯医者。
抜いてもらわないと困る!! と思いながら麻酔をかけられる...もう、何本も抜いていたので痛さにも慣れていた。
が、この親知らずは、かなり短くてもろくなっている。
引き抜く前の段階でぐりぐりやられるのだが、結構長時間やられたのであごの骨に響く。
「抜いちゃえば終わり、抜いちゃえば終わり」と、繰り返し自分に言い聞かせて大人しく見守る。
抜き終わるまで、20分くらいかかったのではないだろうか?...
(つづく)
サウンドオブノーズ Part3
さ、とうとう抜き終わって消毒だ!! と思っていたのだが、歯医者が変なことを言う。
「はい?」と、あまりにも変なことを言われたので、自分の耳を疑って聞きなおしてしまった...
「ですから、鼻をつまむので、鼻から息を吐いてください」
は?...当然、鼻をつままれていたら、鼻から息なんて吐けるはずが無いじゃない? と思いながら、言われた通りにしぶしぶやってみる...
すると...
(つづく)
サウンドオブノーズ Part4
言われた通り、鼻をつままれた自分は、思い切りそのつまんでる指を吹き飛ばすくらいの勢いで、鼻から出るはずのない息を吐いてみる。
すると、なんか音がするじゃ、あ〜りませんか...
「もう一度やって!!」というので、やってみる。
今回は、自分も確認したかったので...
すると、開いている口から「す〜〜〜」っていう、風船から空気が抜けるときのような音が聞こえてくる。
なんで?...
(つづく)
サウンドオブノーズ Part5
「すー」っていう音とともに抜けている空気、これはどこから抜けてるの? という疑問が...
今回抜いた親知らずは右上の奥歯だったが、歯医者曰く「何百人に一人の珍しい人だよ」ということで、その歯医者もはじめてみる症状だということだった。
どうなっているのか?
それは、歯の根っこ奥歯の場合は足が4本あるような感じで生えているのだが、その足のうちの1本が鼻腔(口と鼻の間の空洞)に突き刺さっていたのだ...
(つづく)
サウンドオブノーズ Part6
で、その歯を抜いてしまえば、めでたく「貫通」ということになる...
そう、その空気は、鼻腔からもれていたのだ!!
「とりあえず、消毒するけど...」少し言葉を詰まらせて、歯医者が...「もしかしたら、ちくのうになるかもしれない」だって...確かに、その鼻腔にうみが出ると、そうなるらしいので可能性大だ。
それからというもの、左右のハナの出方が、違うような気がする...
(完)